2015年3月24日火曜日

成長曲線

中学の3年間は、身体も心も大きく変化・成長する時期です。
選手一人ひとり、成長の曲線は違います。変化・成長の始まりが早い選手、遅い選手、それが野球の技量に大きく反映します。成長の早い遅いで差が出るのです。
中学生たちと一緒に野球をしていて、いちばん心を配るのはここです。
選手一人ひとりの成長曲線を見極めながら、励まし、焦らせず、ガッカリさせず、また驕った気持ちにならないよう指導します。
「打球が飛ぶ、飛ばない」「球が速い、遅い」、それはただ「成長が早い・遅いだけ」という側面も多々あります。
成長の早さや身体の強さに依存しない“心技体の基本”を磨くことが私たち東京武蔵野シニアの姿勢です。
久しぶりに見に来てくれる先輩たちが、「あの選手がこんなに変わったんですか!」とビックリすることがしばしばあります。チームの成長はもちろんのこと、選手一人ひとりの成長をサポートすることを東京武蔵野シニアでは大切にしています。

2015年3月2日月曜日

勝った負けたより大切なこと

野球は勝つか負けるか、それが目的のスポーツです。けれど、中学生が野球に取り組む目的は「勝つため」ではありません。
私たち東京武蔵野シニアは、春の大会1回戦で強豪チームに大敗しました。敗者復活戦では終盤まで接戦を演じ、敗れました。結果だけ見ればダメだねと言われても仕方ありません。しかし私は悔しさとともに、大きな手応え、小さな感激を得ました。自分たちの野球を信じ切れず不安が先行して敗れた初戦敗退から2週の間に、選手ひとりひとりが多くを学び、変化しました。自分たちの野球を見つめ直し、自信を取り戻し、普段どおり素晴らしい打撃、守備を見せてくれました。ずっと補欠に甘んじていた選手ふたりが急に変化し、先発起用に応えて活躍してくれたのもうれしい成果です。
先発マウンドには入団時から期待されながら成長できずにいる投手を送りました。伸び悩んでいる投手です。この試合の「勝利」にこだわるなら、彼を先発させる選択はありません。けれど、東京武蔵野シニアは、選手ひとりひとり全員の「成長」を目的にするチームです。彼に成長の機会を与えることもチームの務めです。彼の成長をあきらめることはできません。残念ながらその投手はまた不安が先に立ち、初回に3点を失いました。でも、3点は仲間たちが取り返して試合を振り出しに戻してくれました。それが野球です。しかもいまは春の大会です。3年生たちには、夏までの時間があります。夏の大会までの3ヵ月、そして最後の大会までの半年間に「選手ひとりひとり全員」が成長する機会を与えることが監督の使命です。目の前の大会に勝ったからOKではありません。もちろん、負けてOKはもっとありません。勝ったか負けたか以上に、変化成長できているか、そのための階段となる「いま」を過ごしているか、それが重要です。東京武蔵野シニアは、そのように全員で取り組んでいるチームです。