2012年9月23日日曜日

体験参加を希望する選手(父母)たちへ

少年野球を卒団したあと、どこで野球をやろうか? チームを探している小学6年生たちの「体験入団」を歓迎します。いろいろ見る中のひとつ、ではなく、このブログを読んで関心をもってくださった親子、実際に体験して期待通りなら東京武蔵野シニアで野球をやりたい(やらせたい)と感じてくださった親子に来てもらえるとうれしいです。
体験練習会は秋が深まってから実施の予定。決まり次第、ブログで発表します。
すぐ体験したいという方は、メールか携帯電話でお問合せください。随時、体験参加を受け入れます。

メールアドレス nobuya@s-move.jp
携帯電話  監督:080-2020-2170     事務局長:090-2473-4707

“合わない”選手はいますか?

このような質問を受ける場合があります。
東京武蔵野シニアに「合う」「合わない」という言い方そのものが、本当は「基準がずれている」(謙虚さがない)と思うのですが、父母によっては、そういう言い方をされます。
あえて、その質問にまっすぐ答えるならば、
「素直さのない選手」
「学ぶ気持ち、学ぶ姿勢のない親子」
「勝てばいいと考えている親子」
「野球さえ上手ければいいと考えている親子」
「小学校のとき活躍したから、すごいと思い上がっている親子」
こうした選手は、東京武蔵野シニアには向きません。

2012年9月22日土曜日

どんな練習をするのですか?

野球界の常識と違う「独自の姿勢で取り組む」と言うと、時々「どんな練習をするのですか?」と質問を受けます。練習メニューは、他チームと大きな差はありません。
ランニング、体操、ウォームアップ、キャッチボール、トスバッティング、フリーバッティング、ノック、試合形式……。
メニューを並べたら、野球チームそのものです。ただしもちろん、ひとつひとつのプログラムは吟味され、心技体の基本を徹底して身につけることで統一されています。投打守走、すべてはつながっている、すべての基本は同じ。投げる、捕る、打つ、明快な基本があり、徹底して基礎練習を重ねます。だから、ほとんどの選手が目覚ましく成長します。

2012年9月21日金曜日

DNAのスイッチを入れる

《子どもにできて大人にできないこと》という本があります。宇城憲治先生が書かれた本です。
大人たちの多くは、「年齢とともに成長し、自分は子どもより能力がある」と信じているでしょう。武術の基本を学ぶと、その幻想がまったく誤りだと思い知ります。
現代の大人たちの大半(ほぼ全員)は、頭を使う習慣ばかり身につけ、理屈をこねる人間になり、本来持っている身体のDNAを閉ざしてしまっています。それは簡単な動作で証明・実感できます。ところが、小学生、中学1年生くらいまでは、理屈抜きにDNAのスイッチを入れ、大人ができないことを簡単に実践します。私が東京武蔵野シニアでやりたいのは、これなのです。大好きな野球を通じて、「DNAにスイッチを入れる」ことを重ねて行く。中学2年生、3年生になったらもう遅い、どんどん頭に支配されていくという現実を指導経験の中で実感しています。本気で変わろうとすれば、大人でも変われます。だけど、たいていは中学生になるとそのスイッチが固く閉ざされ、頭で考える癖ばかりがつく方向に流れます。中学生たちが「東京武蔵野シニアで野球をやる意義」はここにあります。

野球と人格形成を直結させる道筋

シニアで野球をやる意義は何か? 一般には「高いレベルの野球をやる」「中学から硬球でやる」といった考えが多いようです。
東京武蔵野シニアはもっと明確です。「中学生のうちに、野球を通じてDNAのスイッチを入れる」「学校や部活動では経験できない質の高い教育を受け、人間を磨く」。東京武蔵野シニアは単に野球の上達を目指すチームではありません。大好きな野球を通じて、人を磨く、人生の土台となる心技体を鍛えることが主眼です。野球で勝っても、卑怯なことを平気でやったり、力づくで相手を蹴散らすような勝ち方を身につけたら、大変です。人生の役に立たないどころか、一生ぬぐえない、間違った習性を刻みつけることになります。すべての人生に通じる生き方、考え方、行動力を身につけてこそ、野球に取り組む意義があります。
現在の野球界の多くは、口先だけで、野球と人格形成を直結させる道筋を持っていません。東京武蔵野シニアは、宇城憲治最高顧問の指導のおかげで、はっきりとその道筋を持っています。だから入団希望者たちに、「3年間一緒に野球に取り組もう!」と自信をもって言えるのです。

監督の日常は?

選手たちに「日常が大事」と指導する監督の日常はどうなのか?
東京武蔵野シニアでは、監督、コーチも選手の先頭に立って自分を磨き、自分を変え、成長することを当然の基本としています。
変わる(成長する)気のない監督、コーチは、このチームにいられません。
監督(私)は完璧な人間ではありません。間違いもおかす、人間として足りない、これまで世間に多くの迷惑もかけている。しかし、変わろうと努力し続けている。いま56歳ですが、過去に持っていた価値観や持論に執着せず、素直な気持ちで自分を壊し、謙虚に学ぶ姿勢で日々取り組んでいます。

「日常が大事」の意味

日常が大事、日常とつながっている、とこれまで何度も書きました。
日常とは何を意味するのでしょう?
その言葉どおり、ユニフォームを着ていない時間も含めた、24時間の生活です。
学校ではだらけている、グラウンドではキチッとしている。
親に対して反抗的な態度を取っている、監督には服従している。
自分の部屋では足を投げ出している、チームでは行儀良くしている。
いま野球界では、このような過ごし方でもレギュラーになり、中には「ドラフト候補」と騒がれる選手もいるのが現状です。
東京武蔵野シニアは、こうした二面性、裏表、「野球さえできればいい」という姿勢を徹底して戒め、鍛え直します。なぜなら、日常生活をきっちり生きるのは本来当然の基本姿勢であるのはもちろん、東京武蔵野シニアが基本とする野球はそれなしに実践できないからです。
日常生活がいい加減な選手のスピード(回転数)は速くならないのです。

2012年9月20日木曜日

裏表のない人間を育てる

いま野球界が抱えている大きな問題のひとつは、「裏表のある人間を育ててしまう風土」です。
大きな声で挨拶をする、だけど心の中に感謝や尊敬はあるだろうか?
監督の前では直立不動、ハキハキ元気な選手が、監督のいないところではダラッとし「うぜえなあ」などと言いながら下級生をこき使う。そんな姿は当たり前に想像できます。裏表のある人間を育てているのです。社会全体がそのような傾向にあり、それが深刻な問題だという認識も低いように思います。私はそこにこそ、日本社会の混乱と崩壊の一因があると感じています。
強い者には弱く、弱い者には強く接する傾向を、指導者自身が持っているために、選手にもそれが映るのです。「野球を通して人間を育てる」と言いながらやっぱり「勝つことが大事」と思っているチームも、裏表のある子どもを育てる結果になるでしょう。日常がまずくても、「勝てばいい」で許してしまう傾向があるからです。
私たち東京武蔵野シニアは、勝利を目指します。勝利を前提にします。けれど、勝つ以上に「自分と戦う」「自分たちを磨く」姿勢を徹底します。裏表を作らない、裏表のない人間を育てることが、私たちの重要なテーマです。

野球と日常はつながっている

人には「速い・遅い」がある、と書きました。
速いことが当然、進歩・成長の手がかりです。
野球が上手くなりたければ「速い人間になることだ」、東京武蔵野シニアで野球に取り組めば、はっきりそう自覚できます。では一体、どうすれば「速い人間」になれるでしょうか? その答えは日常にあります。グラウンドでだけ速くなろうとしても無理です。日常生活から素直に謙虚に、心で取り組むことが「速くなる」道です。だから東京武蔵野シニアでは「日常が大事」という姿勢を共有し、「勉強も野球も一体だ」と、選手たちが認識しているのです。

明確な基準

東京武蔵野シニアが大切にしている基本のひとつは「しっかりと立つ」ことです。
プロ野球選手も含めて、いまの野球選手は、たったこれだけの「重要な基本」をおろそかにして、頭の上のハエを追う傾向にあります。
投げるとき、打つとき、押されてぐらつくような曖昧な立ち方では本来の力が出ません。
私たちは、常に「しっかりと立つ」ことを身につけます。しっかり立たずに、上半身や腕の筋力を鍛えても本質的な力は発揮できません。土台が弱いのに、重い建物を上に載せるようなものです。
練習中、チームメイトに腰の後ろや肩の脇を軽く押してもらいます。ぐらつかなければOK、ぐらついたらしっかり立てていない証拠です。ごく簡単ですが、こうした検証の方法が「明快な基準」です。

「自分本位」の現在にあって

いまの日本は、「自分」が中心で、「自分」が基準です。
多くの人が「自分」を基準にものを考え、判断します。「上から目線」の人が多いのは、老いも若きも、誰もが自分をいちばん上に置いて判断する傾向が主流になっているからでしょう。それでいて、その「自分」を形成する基盤はメディアが発信する根拠の不確かな“流行”だったりします。基準になっている自分は一体、どれほど確固としたものでしょう?
東京武蔵野シニアは、自分ではなく、真実・真理を基準にします。
「明快な基準を持つ」、案外忘れられているたったそれだけの原点を取り戻すだけで、道筋がはっきりし、謙虚になることができます。
決断・判断・行動の基準を持つことは、人生を誤らないための重要な基本です。
東京武蔵野シニアは、野球を通して、「大切な基準」を一緒に学びます。

師の存在

東京武蔵野シニアが基本にしている心技体は、現在の野球常識とかなり違います。
違うからこそ、東京武蔵野シニアを立ち上げ、取り組んでいるのです。
なぜ日本は、大切な身体文化の伝統を失ってしまったのか。失った伝統や生活習慣の意味、その喪失の重大さにまだ大半の人が気づいていません。
私は、師である宇城憲治先生からそのことを学び、混乱し、感動し、燃える思いに動かされ、なんとか自分にできる実践ができないか模索し、中学生たちと野球をする道に身を投じました。
日本の伝統文化である武術を基盤に置くことで、野球が「深さに気づく」「人間力を磨く」道とつながります。それこそが、宇城師に学ぶ日本伝統の身体文化の素晴らしさです。
野球をするのは、野球で勝つためではありません。勝利はもちろん前提として、「心を鍛える」「人格を磨く」ためです。私たちは師の存在があるおかげで、その道筋を明確に持ち、階段を昇ることができます。

野球に取り組む理由

中学生が、貴重な成長期の3年間を「野球を中心に過ごす」意味は何でしょうか?
「野球より勉強が大事」と思っている父母が、野球少年の父母にもたくさんいます。当然のことでしょう。一途に野球をすれば心身が磨かれるか? と問えば、必ずしもそうではありません。とくに、現在のように、野球の結果にこだわり、野球で活躍すればチヤホヤされる軽薄な(商業主義的な)価値観の中にあって、親も子も勘違いしがちです。ただ野球が上手くたって、何にも偉くないし、将来の役に立つとは限りません。
私たち東京武蔵野シニアは、「勉強はしなくていい」とはもちろん考えていません。しかし、「勉強と野球を両立させる」という単純な言い方はしません。野球と勉強は両輪、一体という姿勢です。野球を通して人を磨く、回転を速くする、心と行動を直結する、本当の意味の勉強に「目覚める」ことを主眼にしています。
その基盤は日常生活にあります。日常の大切さに目覚める。それが大きな「野球に取り組む意義」だと、東京武蔵野シニアでは考えています。

2012年9月17日月曜日

人には“速い・遅い”がある

自動車のエンジンに回転数があるように、人も回転数を持っていることが、宇城先生の指導を受けて少しずつわかってきます。
宇城先生はしばしば「速い」「遅い」という表現をされます。最初は私もさっぱり意味がわかりませんでした。単に動きの速さを言うのではありません。
たとえて言えば、回っている駒の回転数のようなものです。
素早く回転している駒は、一見、止まっているように見えます。しかし鋭さを持っている。何かがぶつかれば、一瞬にして弾き飛ばす強さを持っています。
回転の遅い駒は、何かがぶつかれば駒自身が回転を失い、倒れてしまいます。
一般には、「頭の回転が速い」という言い方をします。似ていますが、大事なのは、頭でなく、「身体の回転」なのです。頭でいろいろ考えても、行動とつながっていなければ実際は役に立ちません。
身体の回転を速くする、その手がかりは日常の過ごし方にあります。

選手、父母との約束

入団を希望する選手と父母たちに、「東京武蔵野シニアは、過去の実績や現在の実力は問いません。入団してから成長する、素直に取り組んでくれたら、飛躍的に成長できる可能性をもって指導します」と、私(監督)は約束します。
父母たちは、東京武蔵野シニアの指導法が一般の野球理論とは全然違うので、理解できない方が大半です。体験練習で実際に基本を体感してもらっても首を傾げています。子どもたちはほとんど体験すればその違いはわかります。大人は残念ながらわからないのです。身体で感じていても、頭で理解できないと納得できないからです。
それでも何かを感じ、期待してくれた父母たちとその子どもたちで現在の東京武蔵野シニアは構成されているわけですが、秋季大会の善戦で、入団時の言葉が決して“はったり”でなかったことを実感してもらえたと思います。
まだ小さな一歩にすぎませんが、チームは、つい半年前と比べても「桁違いの成長」を重ねました。

成長の理由

大会に参加し始めてまだ2年、実績ある選手を集めているわけでもない東京武蔵野シニアが、調布シニアに勝ち、八王子シニアを追い詰めることができた。その理由ははっきりしています。
東京武蔵野シニアは、現代最高峰の武術家・宇城憲治師範が最高顧問です。宇城師に学び、宇城師の指導の下、心技体を鍛え、力に頼らない本来の日本人の伝統を基盤に野球に取り組んでいるからです。
筋トレはしません。筋力に頼りません。相手に勝つことを目指すのでなく、自分との勝負、自分を鍛えることを基本に置いています。
入団したときと現在とでは、ほとんどの選手が見違えるような打力、守備力、投力を身につけています。宇城師に学ぶ「心技体の基礎」があるからこそ、誰もが予想していない勝利・善戦が現実になりました。

秋季大会、調布に勝利、八王子に惜敗

秋季大会が今日の敗戦で終わりました。
1回戦、名門・調布シニアチームに2対1で勝利しました。
2回戦、身延シニアに不戦勝。
3回戦、前年度優勝の八王子シニアチームと対戦。5回まで8対0でリード、コールド勝ち寸前まで追い詰めながら、その後、逆転を許して敗れました。

残念な結果ですが、調布シニアも八王子シニアも部員が100人を越えるチームです。東京武蔵野シニアのように、20数名、小学校時代に高い実績を残した選手がいないチームがこれらチームと互角以上の試合ができたことは、選手たちの成長の証です。選手たちの努力と取り組み、成長に誇りを感じます。

発信を再開します

東京武蔵野シニア監督の小林信也です。
約半年間、更新をお休みしました。
その間、多くの出来事を経験し、チームは成長を続けてきました。

改めて発信を再開し、私たち東京武蔵野シニアが何を目標に取り組んでいるのか。できるだけ率直に、この半年間に実際にあった出来事をふまえて綴って行きます。

これから書き重ねて行く内容は、単にチームの広報活動ではありません。現代の子どもたちが置かれている社会環境、野球界の現実、親たちはいったい子どもたちに何を教えるべきなのか、といった切実な課題について、リトルシニアの野球を通して経験し感じたことをお伝えする試みです。
文責はすべて、作家・スポーツライターでもある監督の小林信也にあります。