2011年12月21日水曜日

バッテリーへのサイン

高校野球では、勝つために(捕手を育てるために?)一球一球、ベンチから次に投げる球を指示する監督が少なくないようです。要するに、監督が捕手に代わってサインを出しているのです。捕手は投手にボールを投げ返したあと必ずベンチを見て、監督が送ってくるサインを投手に伝える。捕手の意志や感性はそこに入る余地がありません。シニアでもベンチから投球のサインを出しているチームがあります。正直、ちょっと驚きました。
東京武蔵野シニアでは、そのような指示は一切しません。
「なぜこの場面でそこに投げるかなあ」「なぜその球を投げさせるんだ?」
不用意なサインで痛打され、びっくりする、ガッカリすることもしばしばです。けれど、それが勉強です。経験です。痛い思いをして覚える。感じる。そのための試合です。足りないところは練習で積み重ねる。試合で失敗したらまた覚える、練習する。それに、意外に大胆なサインで投手の可能性を引き出す場合もあるのです。もし自分なら、そこまで思い切った勝負はできないなあと目を丸くすることも起こるのです。
そのように言えるのは東京武蔵野シニアがまだ大会に出始めたばかりで勝利の十字架を背負っていないからだ、と指摘されるかもしれません。どうしても勝たなければいけない、という思いより、選手を育てる思いの方が強い。これはしかし、これからもずっと変わりない東京武蔵野シニアの姿勢です。

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